▪️最後にやってきたスーパーカー
現地で地場食材を買って、メニューを考える俺のキャンプ飯。
今回は、冬の茨城なので、あんこうは外せないよね。と買いました。鍋の準備はしていないので、まず身を照り焼きにしようと、醤油、味醂、生姜、ビニール袋に漬け込みます。今回は、魚介の予定だったので、味醂と味噌は持って来ました。
ひらめをさばいて、丸がにを半分にしたら、準備オッケー。アバウトです。(笑)
焚き火台に炭を起こします。
まずは、前菜は、蛤。焼ける間に、まずビール。うーん、ホップの香りが、抜けていきます。
蛤が焼けてきました。ぷりぶり、貝の塩味だけで十分な美味しさです。もうひとつには、オリーブオイルを足します。これだけで、気分は地中海です。
次は、あんこうの照り焼きです。
悪くない、悪くないけどです。鍋以上にあんこうの身の弾力は感じます。
思わず串から身を外し、噛みしめます。この身なら、照り焼きより、から揚げが合いそうです。うーん、あんこうに申し訳ない。
でも、そもそも、ソロキャンプ。どんな料理を作っても、自分で食べるだけです。
誰も文句を言いませんし、褒めてもくれません。ひとり食材に向き合うだけです。もやもやした気持ちのまま、次に進みます。
3品目は、茨城産ひらめの塩焼き。イメージは、浜焼きのかれいをひらめでやります。
今回は、魚介には塩焼き用にと持ってきたのが、「瀬戸の粗藻塩」です。
魚に合うのは、岩塩より、海から獲った塩が合うはず。と思って選びました。
串を打ち、塩を多めにふり焼きます。
バチバチ、ひらめからでる脂が炭に垂れ、音を立てます。
そろそろいいかな?とつまみます。
うん??もうひとつまみ。焼き魚です。(当たり前ですが)たんなる焼き魚。塩は確かにこの塩で正解、身の旨みを引き出しているような気がします。
ただ単なる塩焼きは、ひらめのやわらかな身に合わないようです。一晩干すなり、塩をして冷蔵庫で寝かせるなりして、旨みを凝縮させるか、ソテーもしくは、中華蒸しや酒蒸し。ひらめさん、ごめんなさい。と完食。
ここで気分転換に日本酒にします。この時期は、やはり熱燗。
さて〆にいきます。汁物です。あんこうの残った身と丸がに、長ネギに日本酒と昆布だし少々。最後にあんこうの肝を溶いて加えます。
いまいち納得できない出来が続いたので、恐る恐る味見をします。
旨い。きた。旨い。美味いではなく、旨いです。
あんこうの肝の味に、丸がにの味噌の旨味がまるで海の波のように重なってきます。
肝の味、味噌の味がしっかり別々のものとして立っています。
この味を壊してしまうのが怖くて、味噌を加えるのもはばかれます。
味噌を気持ち程度に加え、藻塩で塩分を調整します。
さて、どうでしょうか?旨い。重量級の旨さです。あんこうの肝と丸がにの味噌が土俵で相撲をとっています。
いや違う、これは昼間見たスーパーカーだ。フェラーリとランボルギーニ。512BBとカウンタックが、そのパワーを競って綱引きをしています。
魚介祭りの最後のフィナーレを飾るにふさわしい一品。完食。ごちそう様でした。
食後のウィスキーにします。
ドン・キホーテで見つけたスキットルに入ったウィスキーです。1280円+税でした。
裏面を見るとカナディアンウィスキーですが、原産国はメキシコになっています。
カナディアンウィスキーは、蒸溜・熟成はカナダ国内で行う規制がありますが、瓶詰には規制がないので、このような製品が可能です。
焚き火台は、スノーピークのSを購入しました。今回はきっちり薪が載ります。
スキットルでウィスキーを飲み、焚き火の炎を見つめていると、風に乗って波の音が聞こえてきます。
薪のはじける音と波の音を楽しみながら、神栖の夜は更けていきます。