■浪江町の夜・一人立つ。
町営の宿に電話すると素泊まりならOKとの事。助かりました。
2018年オープン。大浴場もあり、部屋も大変きれいです。
夕食に出かけようと尋ねると、22軒ほどの飲食店があるようなのですが、夜営業しているのは6軒。さらに電話で確認しないと営業しているか分からないとの事です。
昼は工事関係でランチ需要はあるが、夜はお客さんがいないせいのようです。
ここでも町に人がいない。という現実につきあたります。
宿からは巡回バスで街にいけると言われ乗車。停留所は6ケ所なのですが、乗る人も降りる人もなく、ずっと私一人。運転手の女性の方は、感じの良い方で、町に家族で戻ってきたとの事。
開いているのは焼肉か居酒屋。おじゃましたのは、 食事処いふさんです。
とりあえずおまかせ1,100円をたのみます。ラストオーダー21:00。早いです。
宿も経営しているようですがメニューに書いてあるのが面白いですね。
めかぶのお通し。生ビール・グビ・グビ。美味い。
まずはお刺身3点もり(たこ・中とろ・鯨)と明太おろしです。この鯨が旨い。
ぶり大根もきました。おまかせコースいいですね。
地酒で、福島県産夢の香という米を使ったお酒を頂きます。柔らかな味わいです。美味しい。
ぶり大根で終わりと思っていたら、もう1品焼き魚。「これで最後です。」と言われましたが、十分です。おまかせコース最高。ごちそうさまでした。
いふさんを出て駅前通りを歩きます。7時半で駅前に人影はなく、私一人きり。
まるで映画にあるような、住民が消えた街です。
バイクショップに残された原チャリは、まるで主人の帰り待つ子犬のように見えます。
宿に戻り寝酒にします、今回のツーリングに持ってきた酒はティチャーズ。最近CMが流れているスコッチです。
35年前、卒業旅行で英国に住む叔母をたずねた際、叔母のつれあいでトルコ人の貿易商だった叔父が毎晩飲んでいた酒です。私のつたない英語と叔父のトルコなまりの英語、半分も分からない会話の中で、毎晩飲んでいたウィスキー。
帰国後、お礼もしないまま時が過ぎ、その後叔母とは離婚。しばらくして亡くなったとの便りが届きました。
時は戻らない。見ないままにしていた土地・酒。 続く