お酒の神様、バッカスが現れて、「一人でキャンプ。焚き火の前で、お前が一番旨いと思う酒は何かな?」と尋ねたら、私は何の酒を選ぶのだろうか。
■バッカス。来ないのか。
静かだ。薪の弾ける音と風が木々葉を揺らす音しかしない。
近くの草むらがカサカサと音を立てる。
バッカス?
ゆっくり出てきたのは一匹の灰色の猫。
今回のバッカスは、猫の姿でやって来たようだ。
「バッカス」と声をかけると、猫は侵入者に不機嫌そうな顔を向けただけで、去って行った。
バッカスじゃなかった。
第6回 今宵飲むウイスキーは『房総ウィスキー』
ウィスキー房総は、千葉は久留里にある清酒の清酒蔵、須藤本家の造るウィスキー。
須藤本家は、清酒業界の低迷に対応する為に焼酎の製造を始め、さらにウィスキー業界に参入。
先日、イオンでこのウィスキーを見つけて購入。
今回のチョイスにあたり、このキャンプ場に来る途中で須藤本家を訪問してきました。
清酒がメイン。ウィスキーは、いま一つの扱い。
HPの商品紹介にも房総ウィスキーはありません。
まずは頂きましょう。
房総ウィスキー
産地 :日本・千葉 君津
タイプ :ブレンデッドウィスキー
製造者 : 須藤本家
香り :スモーキーはなく、グレーンからの甘い香り。
味わい :切れのある味わいでだが熟成感はない。
余韻 :余韻は短く、尖ったアルコール感。
ネットで調べると3年熟成させた自社製モルトウイスキーと輸入グレンウイスキーのブレンデッドウイスキー。
これが日本の酒税法の問題です。
房総はまだモルトが自社製だから良いですが、輸入モルトとグレーンをブレンドしても国内でブレンドすれば日本産。
和風な名前を作れば、外国人も日本人も、土産で買って帰ります。
酒税法はその名の通り税金を取る為の法律で、品質保全の目的はありません。
今年の2月に日本洋酒酒造組合がジャパニーズウィスキーの表示に関する基準を定めました。
①麦芽の使用・国内の水での仕込み。
②国内での蒸溜。
③3年以上の木樽での貯蔵
スコッチの法定義に準じているが、法律ではなく、あくまでも組合の加盟社の自主基準。加盟しなければ拘束されません。
焚き火を眺めながら考えます。
バッカスが来なかった理由。
千葉だから地元のウィスキー。
安易な選択に怒って今回は来なかったのだと思います。
バッカス。俺が悪かった。
続く