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焚き火とウィスキーを巡る旅⑫

お酒の神様、バッカスが現れて、「一人でキャンプ。焚き火の前で、お前が一番旨いと思う酒は何かな?」と尋ねたら、私は何の酒を選ぶのだろうか。

■ジャパニーズウィスキーについて

この4月1日からジャパニーズウィスキーの定義運用が始まった。

スコッチなどの定義を参考に、主な要件は①原材料は麦芽を必ず使用し、日本国内で採取された水を使用すること、②国内の蒸留所で蒸留すること③原酒を700リットル以下の木樽に詰め、日本国内で3年以上貯蔵すること④日本国内で瓶詰めすることの4つ。

法令ではなく、自主基準だが、これで、海外の原酒を日本で詰めて和名を付ける流れも少し減るかも知れない。

ただ、この定義に基づくと、ジャパニーズウィスキーは、大手でも、サントリー「響」「山崎」「白州」「知多」「ローヤル」「リザーブ」「オールド」。ニッカウヰスキー、竹鶴」「余市」「宮城峡」「カフェグレーン」キリンでは「富士」のみ。

1,000円以下ならともかく、えっ角瓶、スーパーニッカ、ザ・ニッカ、富士山麓は、違うの?

と思う人が多いですよね。

ニッカ、富士山麓は一部海外原酒使用。角瓶は原酒の一部が3年以下のようです。

 

この公園、猫がよく通る。

近所の飼い猫か野良猫か。

猫が茂みに入った瞬間、焚き火の炎が舞い上がる。

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炎が急に

バッカス。 

「この間、私が去った後は、大変だったようだな。」

金縛りの件を知っているようだ。

少し笑い声が混じっているのが癪にさわる。

愚痴の一つも言ってやろう。

「神様だったら助けてくれても、良かったんじゃない?」

バッカスはあっさりと

「わしは神だが、酒の神だ。そもそもお前の守護神じゃない。」

確かにそうだ。

「じゃあ、私との関係は何ですか?」

少し間があいて

「飲み友達?いや違う。バーのカウンターで隣の席の客じゃな?」

他人?いや袖振り合うも多生の縁か。

 

第12回今宵飲むウイスキーは、『サントリーウイスキー角瓶」

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角瓶

サントリーウィスキーとしては、白札(ホワイト)、赤札(レッド)に続く、3番目にウィスキー。亀甲文様の瓶が特徴。

このウィスキーの面白いところは、ラベルにどこにも「角瓶」と書かれていない。

形状から「角」「角瓶」と呼ばれ、それが後に製品名になったウィスキー。

 

サントリーウィスキー角瓶

産地  :日本

タイプ :ブレンデッドウィスキー

製造者 :サントリー・スピリッツ株式会社

では頂きます。

   :明るい琥珀色。

香り  :バニラの甘い香り。少し熟した柿。奥に少しカカオの香りが潜んでいる。     

味わい モルトの厚み。グレーンの若さからくる甘さ。バーボン樽原酒が中心だが、 

     シェリー樽原酒も感じる。そしてドライな後味。

     水割りでも、ソーダ割りでのきれいに味が伸びる。    

余韻  :いい感じの余韻を感じるとㇲッ。と切れる。

     香り、味わい、余韻ともにバランスの良い。

     オールラウンダーなウィスキー。

      

「普段、よく飲むウィスキーを選んだのは、訳がありそうじゃな。」

流石、バッカス鋭いな。

「キャンプで焚き火の前で飲むには、少し特別、非日常感が必要だと思う。」

「日本のウィスキーでは、今、少し特別なものと思うと手に入れるのが大変だし。コスパもね。」

「他の国のウィスキーを探し行く。いう事じゃな。」

「青年は荒野をめざす。か」

いや。私は、おやじだし。その小説1967年作ですよ。

バッカスは、勝手に納得したようで、気配を消した。

確かに、神というより、隣の席の早とちりおやじだよ。

続く。