お酒の神様、バッカスが現れて、「一人でキャンプ。焚き火の前で、お前が一番旨いと思う酒は何かな?」と尋ねたら、私は何の酒を選ぶのだろうか。
■BBQの国に行こう
庭でウィスキーを飲んでいる。
焚き火でなくても来る事が分かったので、とりあえずランタン。
LEDでも来るんじゃないかな?と思ったけれど、気を使ってオイルランタン。
『迎え火なら、茄子に箸で足とか付けるんじゃないのか。』
早いな。
『先祖じゃないだろ。そもそも、まだお盆じゃないし』
ふっふっと笑い声。
『雨だと思ってDAYキャンプにしたのに、日曜が晴れで、機嫌が悪いな。』
『晴れじゃないよ。曇り。それに午後は雨だった。』
神様と話すには、次元の低い会話。
『旨そうなものを食べているな。』
『貰い物。子供に訊いたら、冷凍したらパリパリで美味しい。って。本当に冷凍が旨い。』
『一つ頂いていいかな?』
袋から出して、前に差し出すと、消えた。
『旨い。初めての味じゃ。少し辛い。』
山葵だよ。
『何で分かった。?』
『ジャパンミートで、お前の前にいた帽子を被った男が、わしじゃ。あの時、メキシコ産、アメリカ産の肉があったのに、お前は迷わずアメリカ産を選んだ。』
写真を見ると、かごもカートも持っていない帽子の男。
『そしてケンタッキー・フライド・チキンを買った。お前の前にいた少年がわしじゃ』
中々オーダーが決まらない男の子がいた。
ああ、坊主頭で、白いランニングシャツ。
『アメリカンビーフ。ケンタッキーフライドチキン。これはバーボンで決まりじゃ。』
当たっていますが、何か、感動がない。
そもそも、何で俺の周りをウロウロしているの?
第13回今宵飲むウイスキーは、『メーカーズマーク」
メーカーズマーク蒸留所。ケンタッキー州のバーボンの蒸溜所の中で最小。
手作りにこだわったクラフトバーボン。
バーボンの定義の中では、原材料は、トウモロコシを51%以上使う必要がある。
メーカーズマークは、ライ麦の代わりに冬小麦を使用する事で、柔らかな、まろやかな口当たりを生み出している。
そして6年から7年のバーボンとしては長期の熟成。
またメーカーズマークのパッケージの特徴は、赤い封蝋。
今でも1本1本、手作業で風をして、同じ物は2本とない。
★写真はサントリーのHPからお借りしました。
メーカーズマーク
タイプ :ケンタッキーストレートバーボン
製造者 :ビーム・サントリー
では早速頂きます。
色 :琥珀色
少し水を足す。
香り :甘く。バニラ、はちみつの香り。少しオレンジの香り。
味わい :柔らかく、上品。荒々しい味わいのバーボンの中では女性的とも言える。
余韻 :余韻は大きな山の後、優しく続き、ふと消える。
湖のほとりを男女が歩いている。小さな白い花が湖の周りに咲いている。
二人は何かを話あっている。夢。家族のこれからの希望。
湖の湧き水はあくまでも透明で、鏡のように蒸留所の周りの緑を映している。
『どうじゃ、アメリカの酒は、焚き火に合う酒かな?』
バッカスの声に意識が戻った。
『BBQの国だからね。可能性はある。」
最後までお読み頂き、有難うございました。