お酒の神様、バッカスが現れて、「一人でキャンプ。焚き火の前で、お前が一番旨いと思う酒は何かな?」と尋ねたら、私は何の酒を選ぶのだろうか。
■22年新しい旅の始まり
頂いたみかんを食べながら、昨年のウィスキーの旅を振り返る。
アイラに始まり、日本、そしてアメリカ。
その土地の全てのウィスキーを飲み尽した訳ではないが、こんな味わいのウィスキーが焚き火に合う。というような事は、ぼんやりと感じる事が出来た。
バッカスの言うように、12人の神々の酒を1年に1本探していたらあと11年。
無理だな。
●まずはカナダとアイルランド
さて今年の旅はどうしようか。
まずは5大ウィスキーを回ろうか。あとカナダとアイルランド。
ところで5大ウィスキーというのは、誰が決めたのだろう。
誰が決めたか分からない定義ってある。
焚き火の炎が燃え上がる。バッカスだ。
「みかんを食べ過ぎると黄色くなるぞ。」
親父のような心配をしてくれる。
声はどこから?みかんの木々の方だ。
「今年の旅も始まるな。より厳しい旅になるぞ。」
分かっている。
「今宵のウイスキーは、決まったかな。」
第24回今宵飲むウィスキーは『カナディアンクラブ12年』
カナディアンウィスキーは、フレーバーリングウィスキー(ライ麦を主原料としたバーボンウィスキーのようなもの)とベースウィスキー(とうもろこし等を連続式蒸留機で蒸溜。グレーンウィスキー)の2種類で、ほとんどの製品がこの2つをブレンドしたブレンデッドウィスキー。
ライトでマイルドな味わいが特徴。
自国での消費というより隣国のアメリカ向けの輸出が多く、歴史的にはアメリカの禁酒法時代に大きく発展。
では頂きます。
産地 :カナダ オンタリオ州
製造者:ハイラム・ウォーカー社
色 :濃い琥珀色
香り :バニラ、キャラメル、熟した果実の香り。少し焦げたような香り。
味わい:フルボディ。ほどよい酸味。
余韻 :果実感のあり厚みのある味わいに緩やかに続く余韻。
スムーズな飲み口の多いカナディアンの中で、かなり厚みがあり個性的。
ホワイトラベルのスタンダードのカナディアンクラブとは別物の印象。
ああ、河の向こう岸にアメリカが見える。
高いビルが立ち誇る大都市。
そして周りを見ると河のほとり厳しい寒さを越えて咲く白い花。
「旨いみかんじゃな」バッカスの声に我にかえる。
あっ、袋の中のみかんが全てなくなっていた。
続く。