お酒の神様、バッカスが現れて、「一人でキャンプ。焚き火の前で、お前が一番旨いと思う酒は何かな?」と尋ねたら、私は何の酒を選ぶのだろうか。
■台湾・新興勢力のウィスキー
遠くの湖畔の灯りにキャンプ場のテントの灯り、まるで妖精の国にいるようだ。
神体山、神が宿ると言われる山岳信仰の山です。
焚き火を眺めながら富士山に思いをはせる。
炎が揺れる。バッカスが来た。
「富士山に神様は宿っているのかな?」
バッカスに尋ねる。
「わし的には、神は12神しかおらんが、日本は、森羅万象、八百万の神の国。」
確かに、ギリシャは12神。神の概念が違う。
「ところで、今宵の酒は決まったかな?」
台湾のカバラン蒸留所は、2006年に蒸留を開始。
2010年 蒸溜開始のわずか4年後にスコットランドのエディンバラで開催されたウイスキー ブラインド・テイスティング大会で「カバラン クラシック・シングルモルト・ウィスキー」が優勝。
その後も多くのウィスキー・スピリッツのコンテストで受賞。
SFWSCの2018年度蒸留所を受賞。
2020年の「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション」では、カバランのシングルモルトが1位から3位までを独占。
台湾の亜熱帯気候による熟成の早さを活かしたウィスキー作りが特徴。
では頂きます。
生産地:台湾 宜蘭県(ぎらんけん)
蒸留所:カバラン蒸留所
製造者:金車グループ
ウィスキーというよりジャマイカラムのような色合い。
香り :ワインそれも少し貴腐ワインのような濃厚な香り。
また熟した南国のフルーツのような香りもある。
そしてまだ少し若いオークの香り。
味わい:厚みのあるシェリー樽の熟成の味わい。
甘い味わいにチョコ・ナッツの味わい。
力強さに圧倒される。
余韻 :厚い余韻がどこまでも続く。
ウッディ、果実味。複雑な余韻は終わり事が無い。
私は朝靄の森の中をさまよっている。
まだ早いのに、木々の間を抜けた日差しはかなり照り付けていて、もう私は、じんわりと汗ばんでいる。
湿ったコケの香りに、鳥の鳴き声。
果物の甘い香りが、私を森の奥へといざなっていく。
そもそも、このウィスキーは、焚き火で飲むウィスキーの対象外。
家族と台湾旅行をした際に、自分用のお土産に買ったウィスキーで、国内で買えば2万円前後する。
焚き火で飲むウィスキーは
・せいぜい5,000円台まで
・普通にもしくは少し探せば買える。事が必要。
「少し寄り道をしたようじゃの。別に良い。それも迷宮の道じゃ。」
バッカスの声が湖を渡る風の中に消えていった。
続く。