お酒の神様、バッカスが現れて、「一人でキャンプ。焚き火の前で、お前が一番旨いと思う酒は何かな?」と尋ねたら、私は何の酒を選ぶのだろうか。
■スコットランドから日本への贈り物
薪は十分あるのに、何か燃えが悪い。得てしてこういうものだ。
立ち入り禁止の裏山に続く階段から、人が降りてくる足音が。
ランタンの炎の色が青く光り出した。バッカスだ。
『この山の上に祠があってな。ここの神さんと世間話をしておった。日本には神様が多いから、何かと大変なようじゃな。』
ギリシャと日本の神様が話が合うとは意外だった。
『ところで今宵の酒は決まったか?』
●第39回今宵飲むウィスキーは『シーバスリーガル12年ミズナラ』
シーバスリーガルは、その飲みやすさから世界中から愛されるブレンデットウィスキー。
シーバス・リーガル12年は、日本産ミズナラ樽でフィニッシュした選りすぐりの原酒を、原料の一部としてブレンドした日本限定商品。
さて頂きますか。
生産地:スコットランド
蒸留所:ハイランド地域 ストラスアイラ蒸留所の原酒がキーモルト
製造者:ペルノ・リカール社
色 :若干オレンジがかった琥珀色。
香り :オレンジや洋ナシのようなフルーティな香りとナッツ系の香り。
白檀のような、お寺をお参りした時に漂う香りも感じる。
味わい:シーバルリーガルのスムーズな滑らかな口当たりだが、より厚みがあり、
スパイシーさを感じる味わい。最後にオレンジ系の甘みが残る。
余韻 :複雑な余韻が長く続き、最後にナッツ・スパイスの香りを残して消える。
森の中を彷徨っていると大きな巨木に出会う。ミズナラの巨木だ。
成長の遅い木なので、この太さは優に千年は超えているだろう。
森の中を風が渡る。濡れた落ち葉の香り、木の実の香り。
この森には果実を実らせる樹もあるのだろうか、甘い果実の香りがする。
何かこの巨木と向き合っていると、寺社で仏像と向き合っているような気持ちになる。
『不惑はとうに過ぎておるのに、まだ惑っておるようじゃな。まあ儂も五百年は惑っておったな。』そんなミズナラの声を聞いたような気がした。
『明日の朝は雨になるから、早起きして出発した方がよいぞ。もう寝ろ。』
バッカスが去る時に起こした風で、焚き火が消えた。
もう寝るか。でも予報では、雨は午後のはず。神様だから天気予報より当たるか?
続く