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焚き火とウィスキーを巡る旅⑧

お酒の神様、バッカスが現れて、「一人でキャンプ。焚き火の前で、お前が一番旨いと思う酒は何かな?」と尋ねたら、私は何の酒を選ぶのだろうか。

■まるで鏡のストーリー。

直火の焚き火はいい。

炎の揺めきに石の表情が変化する。 

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直火

 風が吹き、木々がゆれて、眠っていた鳥たちが飛び立つ。

何者かが降臨。

その声はSRの後ろの方から聞こえてくる。 

最近、バッカスの姿は見えないが、気配は以前より強く感じるようになった。

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SRの後ろから

「今宵の酒は決まったかな?」

確かにバッカスの声。

第8回今宵飲むウイスキーは、『ニッカウィスキー宮城峡』

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宮城峡

竹鶴政孝は、余市とは違うウィスキーの個性を求めて、第二の蒸溜所を計画。

宮城峡を選び、この地を訪れた時、新川の清流で、持っていたブラックニッカを割って飲み、味わいを確認。

その場で蒸溜所建設を決定したと言われています。

またサントリーの2代目社長佐治恵三は、山崎蒸溜時と違う蒸溜所の場所を探しで、ウィスキーに適した水を求めて、山梨、南アルプス、白州の地を選びました。

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宮城峡蒸溜所

 山崎はスモーキーを抑え華やか、余市はスモーキー・重厚。

宮城峡は、軽やか・華やかを求め、白州はスモーキーさと厚み。

鳥井信治郎竹鶴政孝のウィスキー作りは、表と裏。

まるで鏡のようです。

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ポットスチル

 蒸留所の造りも宮城峡は、蒸気方式。白州は余市のような直火を選ぶのです。 

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頂きます。

さて飲みましょう。

シングルモルトウィスキー宮城峡

産地  :日本・宮城峡蒸留所

タイプ :シングルモルト

製造者 :ニッカウィスキー株式会社

では早速頂きます。

   :明るい琥珀色とシェリー樽由来の色合い

香り  :甘くフルーティ。りんご。熟した洋ナシのような香り。

     ピート香は軽く、シェリー樽由来の甘い香り。

味わい :軽やか。華やか。口の中での柔らかな広がり。

余韻  :軽やかに抜ける華やかさ。余韻が長く続く。

川霧の立つ川辺を年老いた男が歩いている。

その足取りは、男の旅の終わりが近い事を予感させる。

一瞬、男のそばに寄りそう女性の姿が現れる。

幻。でも男も気づいたのか、その顔は微笑んでいる。

何か、女性の華やかさ、優しさを感じさせるウィスキー。

「どうだったかな?」バッカスの声が響く。

「旨い。まだまだ私の旅は長いよ。」

何か笑い声のように、木々が騒めいた後、静寂が戻った。

バッカスの気配は無い。

続く。