お酒の神様、バッカスが現れて、「一人でキャンプ。焚き火の前で、お前が一番旨いと思う酒は何かな?」と尋ねたら、私は何の酒を選ぶのだろうか。
■スタイリッシュなアイリッシュ
夏休みのキャンプ場は、子供達の喧騒に溢れていた。
おやじは、風呂に入って酒飲んで、寝よう。
●突然の霧にバッカス登場
露天風呂から帰る道すがら、橋のたもとに近ずくと、いきなり目の前が真っ白に。
夜霧?それのにしても噴き出すような勢い。
バッカスだ。
「今回は派手な登場だね。」
『馬鹿者、わしではない。これは花火の煙じゃ。あちこちでしている花火の煙が、風に乗ってこの川べりに集まってきたのじゃ。』
●変なおじさん
バッカスと話ながら、歩いていると、幼稚園ぐらいの子供達。
「変なおじさんがいる。」と声をかけられます。
やっぱりバッカスの姿は、他の人にも見えるのだ。
『また変な事を考えておるな、変なおじさんはお前じゃ。一人なのに誰かと話しているかのようしているじゃからだ。』
『わしの姿が見えるのは、酔った人間だけじゃ。そんな事より、今宵の酒は決まったかな?』
●第34回今宵飲むウィスキーは『バスカー アイリッシュウィスキー』
バスカーを製造するロイヤルオーク蒸溜所はアイルランド・カーロウで2016年に操業を開始。「シングルモルト」、「シングルポットスチル」、「シングルグレーン」の3種のウイスキーが生産できるアイルランド唯一の蒸溜所。
バスカーアイリッシュウィスキーは、2020年にリリース。
バーボン樽、シェリー樽、マルサラワイン樽の3種の樽を使用したウイスキーで作られたブレンデッドウィスキー。
ウィスキーの比率は、シングルモルトとシングルポットスチルの比率が高い。
生産地:アイルランド共和国 カーロウ州
蒸留所:ロイヤルオーク蒸留所
製造者:イルヴァサローノ社
色 :明るい琥珀がかった黄金色。
香り :プラムやトロピカルフルーツスモーキーの香り。バニラ香。
すこしはちみつの香。
味わい:スムーズな味わい。ダークチョコのような後味。
余韻 :軽やかな余韻が続き、白い花のような香りがただよう。
3人の若者が果実園の中を歩いている。足元には小さな白い花。
一人はアメリカ人、一人はスペイン人、最後の一人はイタリア人のようだ。
何語で話しているのだろうか?陽気な笑顔が輝いている。
風が吹いて、甘い熟した香りが一面に広がった。
『アイリッシュはどうだった』
「新しい潮流が生まれているのは、感じたよ。」
「次の国に行く。」
私の言葉を聞いたのか、いないのか。バッカスの気配は消えていた。
続く。