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焚き火とウィスキーを巡る旅⑪

お酒の神様、バッカスが現れて、「一人でキャンプ。焚き火の前で、お前が一番旨いと思う酒は何かな?」と尋ねたら、私は何の酒を選ぶのだろうか。

■国産に悩む・・・

 キャンプでのウイスキー選びの旅が、足元の日本で迷走中。

 ①中小のメーカーの輸入ウイスキーを使用した国産風ウィスキー。

  ※酒税法上はOKです。

 ②大手メーカーの自社原酒と輸入原酒のバッティング・ブレンドウィスキー。

 ③人気ブランドのノンエイジウィスキー。

①・②については以前書きましたが、今回はノンエイジについて。

例えば、山崎なら基本が12年。旨い。

そして18年。凄い旨い。こう変わるんだ。と感じていました。

ノンエイジは、どうも12年、18年に対し、味のポジショニングのイメージを置くのが難しい。延長線の逆、何か引き算をしてしまう。★個人の意見です。

さらにエイジングの縛りが無いので、どんな原酒を使っているのかも分からない。

そのノンエイジでも手に入れるのが大変。

買うのに苦労するウィスキーがキャンプの酒?

 ジャパニーズウィスキーの需要と供給のバランスが崩れている昨今、選ぶのは国産なのかな?と悩んでる次第です。

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焚き火を眺めながら

まずはトイレに行こう。(笑)
棚田を下ると、トイレの周りは蛙の大合唱。

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蛙の大合唱

用をすませて、蛙の声を聞いていると、「また悩んでいるようじゃの?悩むのが好きな性格だな。」と蛙の鳴き声に混じり、バッカスの声。
「今宵の酒は決まったかな?」

「トイレの前で尋ねるられてもね。まず焚き火の前に戻るよ。」

 

第11回今宵飲むウイスキーは、『サントリーシングルモルトウイスキー白州」

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白州

 

1973年にサントリー第2の蒸溜所として誕生した白州蒸留所。

南アルプス甲斐駒ヶ岳の麓に約82万平方メートルという広大な敷地の中の森の蒸溜所。★一般的に言うと東京ドームだと約18個分の広さ。

水の狩人と言われたサントリーの初代チーフブレンダーが理想の水を求めて、全国を調査。たどり着いたのがこの地。

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白州蒸溜所

発酵槽に木桶を使い、森の微生物がウィスキーの作りを手伝います。

直火、様々な形状のポットスチルによる蒸溜。

そしてニューポットは南アルプスの森で眠る。

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ウィスキー作り

同じ敷地内には「南アルプスの天然水」が工場あり、ウィスキーの何倍もの売り上げなのは、皮肉なもの。

白州を飲む前は、瓶のイメージから、グレンフィディックのようなノンピートのすっきりした味わいを想像していたのですが、逆でした。

山崎と比較して、ピート香を感じるシングルモルト

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頂きます

サントリーシングルモルトウィスキー白州

産地  :日本 白州蒸溜所

タイプ :シングルモルトウィスキー

製造者 :サントリー・スピリッツ株式会社

では頂きます。

   :明るい黄金色。

香り  :ドライな感じは受けるが、青い皮の柑橘、スダチ、ライムような香り。     

味わい :そんなに厚みは無く、軽快でさわやか、少しりんごの味わい。

     原酒が若いゆえのフレッシュな感じ。

余韻  :森香るハイボールのコピーで販促されていたように、かすかなピートの香り 

     が抜け、湿った青葉の香りが漂い、その後、きれていきます。

雨の上がった新緑の森の中を歩いている。

小鳥たちの鳴き声は、生命の歓喜の歌。

少し湿った緑の風が、家にこもりがちな最近の鬱蒼をした感じを一気に払ってくれる。

森の奥の少し開けた場所で若い青年が、焚き火をしている。

後ろのポケットに入れたスキットルには、ウィスキーが入っている。

彼さえ良ければ少し話をしよう。

 

「どうだったかな?」バッカスの声が響く。

「美味しい。でもどうしても12年、18年との位置関係を探ってしまうんだ。」

「お前は、人を判断するのに、親子、兄弟から判断するのか?」

バッカスの問いに詰まる。

「考えるな。味わえ、感じろ。だな。」

ホー・ホー。いつもの梟の鳴き声のような笑い声。

風が吹いた。

バッカスの気配は無い。

続く。