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焚き火とウィスキーを巡る旅⑭

お酒の神様、バッカスが現れて、「一人でキャンプ。焚き火の前で、お前が一番旨いと思う酒は何かな?」と尋ねたら、私は何の酒を選ぶのだろうか。

■こだわりのモテ男の酒。

夕食が終わって、子供の寝る時間が近づくと、あちらこちらで、花火が始まる。

火薬の独特の匂いが、風に乗って私のテントにも届いてくる。

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花火

大人の焚き火は、子供の花火か。遠い日の花火を思い出す。

「そんな、センチメンタルな、いい思い出のない青春時代だったはずだが。

バッカス

「人の記憶に入る力があるのかよ。」私は尋ねる。

「ワシは神じゃ。」

「中学1年の祭の夜。夜店の道で、前から来る浴衣の彼女に驚いて、思わず隠れたじゃろ。初恋の彼女。この間、孫が生まれたぞ。」

「やめろ」

「ウィスキーの話だろ。俺の思い出の話じゃない。」

くっくっ。バッカスの鳥のような笑い声。

「思い出もウィスキーの良いつまみじゃ」

第14回今宵飲むウイスキーは、『ジャックダニエル

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ジャックダニエル

 

アメリカンウィスキーと言えば、バーボンが代表だが、世界で1番売れているウィスキーは、テネシーウィスキーのジャックダニエル

バーボンの蒸溜所は、ほとんどがケンタッキー州にあるが、ジャックダニエルは、お隣のテネシー州にある。

ちなみにテネシー州禁酒法のある州で、ジャックダニエルの蒸溜場は、工場見学で試飲が出来ません。

創業者のジャックダニエルは、13歳で蒸留所のオーナーになりました。

身長は160㎝程度でアメリカ人としては小柄ですが、非常に女性にもてた。との話が残っています。 

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ジャック

 テネシーウィスキーの特徴は、チャコールメローイング製法。

蒸留直後の原酒をサトウカエデの炭の層に注いで、ゆっくりとろ過。

それにより、荒々しさがとれ、優しい口当たりになります。

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チャコール メローイング

では、頂きましょう。

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頂きます

テネシーウィスキー ジャックダニエル

産地  :アメリカ・テネシー州

タイプ :テネシーウィスキー

製造者 :ブラウンフォーマン社

   :アメリカンウィスキー特有のオレンジがかった黄金色

香り  :完熟したフルーツやメープルシロップを思わせる甘い香り。

     またウッディな香りも感じる。

味わい :スムーズでまろやか。そして芳醇。最後にわずかに苦味。

余韻  :一気にひろがる華やかさ。余韻が厚く長い。

次は少し水を足します。この為に汲んできた熊野の清水。

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熊野の清水

青年、いやまだ少年の面影を残す若者が洞窟の湧き水の前に立っている。

泉の水をすくって飲むと、青年の顔に驚きの表情が浮かぶ。

その水の美味しさは、歩き疲れた身体を癒してくれる。

そして青年の瞳には、未来への大きな野心の炎が映っていた。

 

 

「どうだったかな?」バッカスの声が響く。

アメリカンウィスキーと焚き火の相性はいい。多分、ホワイトオークの新樽の木香が影響していると思う。」

花火の弾ける音がした。

バッカスの気配は無い。

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夜は更けて

 続く。