お酒の神様、バッカスが現れて、「一人でキャンプ。焚き火の前で、お前が一番旨いと思う酒は何かな?」と尋ねたら、私は何の酒を選ぶのだろうか。
■ライ麦畑で何か捕まるのか?
静かだ、暗闇の中に私一人。
そんな気分になる。
焚き火とランタンの灯りがわずかな空間を照らしている。
今日のこの森は鳥の鳴き声もしない。
風もなく、枝や葉が擦れ合う音すらない。
キャンプ場に、だだ男が3人焚き火をしている。
薪がはぜる音が、時々するだけ。そんな静寂。
いきなり炎が燃え上がる。バッカスが来た。
「早く来ないとお前は寝てしまう程疲れておるようじゃな。」
声は遠くの闇の中、そして上の方から響いてくる。
そうだ。ご神木から聞こえてきているのだ。
「飲む酒は、決まったかな?」
第18回今宵飲むウィスキーは、『ジムビーム ライ』
アメリカンウィスキーの原料の定義の中で、バーボンでは、原材料は、トウモロコシを51%以上使う必要がある。
ライ麦を51%以上使うとライウィスキーと呼ばれる。
バーボン、テネシーウィスキーだけでないアメリカンウィスキーをチョイス。
ジムビーム ライ
タイプ :ライウィスキー
製造者 :ビーム・サントリー
ラベルには「PRE-PROHIBITION STYLE」の文字。
禁酒法以前のスタイルで造ったとの意味。
そそるじゃないか。
では早速頂きます。
色 :濃い琥珀色
香り :バーボンと比較して甘い香りは抑え気味。しっかりと樽の香りは引き立つが ライウィスキー特有のスパイシーでドライな香り。味わい :ドライでキレのある軽やかな味わい。
いやキャッチャー・イン・ザ・ライウィスキーか(笑)
バッカス。どうやら今回は、何も捕まえられない。
ウィスキーを巡る旅は、深い、深い闇。イン・ザ・ダーク。
「おいおい、困った男だ。詩人気取りか。ただ、お前の焚き火に合うウィスキーのイメージと違ったのじゃろ。」
「スナフキンにでもなったつもりか」
ライウィスキーのこの味わいは、今までのバーボンと比較して焚き火との相性が弱い気がする。
ただ、次の1本を選ぶのに、どこに進もうか思い当たらないだけ。
続く。